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占領期のビッグ・データ 「プランゲ文庫」 過去と現在 ④: NPO法人発足-「都道府県別コンソーシアム提案」

2014年03月20日 · コメント(0) · 未分類

 

メリーランド大学所蔵「プランゲ文庫」の過去と現在についての第4回目です.

占領期のビッグ・データ 「プランゲ文庫」

①: 黎明期
②: まず検閲関連研究から
③: マイクロ版とデータベース活用期
④: NPO法人発足-「都道府県別コンソーシアム提案」

 

 

④: NPO法人発足-「都道府県別コンソーシアム提案」

2013年NPO法人インテリジェンス研究所、理事長山本武利が発足し、その組織の下で、今までの二〇世紀データベースを刷新改良し、『二〇世紀メディア情報データベース』として、今までのナビゲーションを一新し、全資料の一覧検索も付加して有料化する事が決定され、2013年6月に運営を開始致しました。NPO法人はこのデータベースの提供と共に、年6回の研究発表会を予定し、インテリジェンスに関係する資料のデータベースを徐々に追加して行けるように準備を開始致しました。詳しくは同会のホームページをご高覧下さい。http://www.npointelligence.com/

 

 

前述のごとく、初期のプランゲ文庫研究は検閲を中心にして研究が進んできました。その後地域資料として着目され、多くの地域の多くの資料が提供されてきました。更にマイクロ製品やデータベースの提供により、未発見資料の発表や、占領検閲を前提としながらも、占領地域の言論や文化活動の証左として使われる素地が出てきました。特に、占領軍による検閲制度を超え、食べる物にも乏しく、住む所も貧弱な中にあっても、自由であることを謳歌し始めた民衆の声は至る所に広がり、此処に集められた資料群の総体は、最近言われる「ビッグ・データ」そのものであると思われます。やはり、プランゲ文庫は占領期の「ビッグ・データ」に他なりません。その「ビッグ・データ」から何を引き出されるかはご利用者次第だと思います。このことこそ、今後の「プランゲ文庫」と「二〇世紀メディア情報データベース」が活躍出来る場所だと思います。

 

Yamamoto プランゲ文庫には各種団体史、会社史、組合史、クラブ史、サークル史、同好会史、学校・学級史、公民館史等々、草の根の無数の小冊子まで含まれております。更 に、中曽根康弘氏の様な超有名人ばかりでなく、数限りない一般庶民の声が無数に含まれております。NPO法人インテリジェンス研究所の山本武利氏も、戦争 未亡人に成られて6人のお子様をお育てになられたお母様の足跡をこの「ビッグ・データ」より探し当てて、お母様の小作品を上梓されております。 『山本貞子・初期作品集』(2006.3 78p.)。以 下「あとがき」より引用させて頂きます。「この小冊子はアメリカ・メリーランド大学の所蔵するプランゲ文庫の占領期雑誌の中にある『潮汐』、『晩鐘』から 私の母山本貞子が寄稿した作品を集めたものです。— プランゲ文庫の目録には、私の幼年期に郷里周辺で出された雑誌の名前も載っていた。夫を戦争で失った母は『いつかし』(発行地・愛媛県宇和島市)という短 歌雑誌に投稿することを生きがいにした。同文庫には『いつかし』のようなアララギ派の同人誌は、少なくとも二十一誌が収録されている。母が購読していた 『大耕』(同・同県内子町)や、私の最初の愛読誌『銀の鈴』(同・広島市)もそろっていた。— ともかくこのデータベースの完成で、母の名前を入力すれば、プランゲ文庫にある母の作品の所在を簡単に知ることが出来るようになったわけです。母だけでは ありません。現に母の長年の歌仲間で。所収の『大耕』の俳句会にも登場する友人の歌の件数もデータベースで四件あります。— 病床の母は私の編集作業が急ピッチで進んでいることを看病の姉から伝えられる時、珍しく意識を取り戻し、微笑んだそうです。」 占領期における自分史、個人史、両親史、家族史、一族史、一門史等々の資料をこの「ビッグ・データ」からお探し下さい。

IMG_3496 別府をこよなく愛し、大分に生きることに誇りを持った方々が集って結成した「大分プランゲ文庫の会」(代表白土康代 平成18年12月設立)の 活動を此処に紹介いたします。同会は、「プランゲ文庫」が終戦直後の貴重な資料・財産であるという思いから、10名で出発、月一回の学習会を持ち、平成 19年11月には「大分プランゲ文庫フォーラム」を開催しました。 その反響の大きさから、当時の関係者を探しだし、当時のガリ版刷り文集などを手渡し、ある物は復刻版を作製して、貴重な資料の歴史と共に各地域の確たる処 に何とかして返したいと思われて活動されております。既に、「大分プランゲ文庫の会」記録 A4版約20数頁を3冊発行されています。 平成20年にはメリーランド大学を訪問し、当時プランゲ文庫室長であった坂口氏と面会、直接大分県で発行された出版物を実地検証されました。これらの活動 を通して、占領期における地域の文化活動の豊かさに驚かれ、その驚きを地域の人々と共有するために、雑誌に掲載された楽譜を基にした演奏会、プランゲ文庫 ゆかりの団体との交流会、更に再現料理会などを行い、今後は、他の地域活動との連携や、資料提供なども行っていくことを計画されております。

上記と共に、代表の白土康代氏は『今日新聞』(今日新聞社:別府市野口元町8-27)に毎週1回のわりで「プランゲ文庫収蔵新聞による原色の町・混沌の別府」(戦後別府で出た52種の新聞より)という題名で占領期当時の新聞記事から連載中です。

「プランゲ文庫収蔵新聞による原色の町・混沌の別府」(Nos. 1-35, 2013年6月5日―2014年2月18日 継続中

     新聞紙名            標題                         注目!ニュース抄(コラム)        出典紙名
1    九州探偵新聞        意外にまじめな趣旨        妖婦 キャラメルお春                   九州探偵新聞
2    BEPPU WEEKLY    犯罪者逃げ込む町!       ダンサー カルメンの優子            九州探偵新聞
3    豊後新聞              元博徒が名誉社長!       地熱発電反対に涙の市長          豊後新聞
4    別府新聞              旅館・飲食の業界向け       亀川駅改称で侃々諤々             別府新聞
5    THE DANCE         ダンスは民主化の象徴       ダンサーが労組結成                 民主新聞
6    別府青年新聞      日本再建は我等の肩に      懸賞金付き!映画館                  豊後新聞
7    赤い湯けむり        亀川の女性が発行           二百五十人乗りバス                   豊後新聞
8    公民館報             24年6月開館の公民館      ”胸くそ悪い”星マーク                 泉都別府
9    豊州新聞             犯罪都市か東洋のモナコか辛うじて住んで別府をうらやまれ 内藤凡柳    別府タイムス
10    萬寿会ニュース  戦争犠牲者の保護施設      衛生都市への構想・別府市衛生課長談    豊後新聞
11    霊界通信           死者の霊を招く!?           板の間稼ぎにご用心                  別府タイムス
12    九州朝日新聞    米兵との交際慎重に          もらい子殺し容疑者捕まる:7人の乳児流転中に怪死    九州タイムズ
13    世論大分           復員兵や未亡人の悩み相談    未亡人相談所に求妻申込み  民主新聞
14    暁時報              女性教師の善行を称える    伏魔殿の富士久旅館・MPが家宅捜査    別府タイムス
15    別府市政便り     正しい認識で正しい世論を   別府に映画会社があった!        別府タイムス
16    衛生新聞           病害虫の駆除を呼びかける  商売のぞき:街の楽師・街のバクチ    民主新聞
17    協生新聞           引揚者が協力して生きる      駅前に新名所「新柳町」             泉都べっぷ
18    別占宣              垣間見る基地労働の実態    占領軍芸能協会創立                 民主新聞
19    九州新聞           満員列車は三人掛けで        未だに残る別府の浮浪児          民主新聞
20    大分報知           海門寺マート建設佳話も       お百姓が大尽気取り                別府日報
21    九州建設新聞    天文台やカジノ計画             ダンスホールと旅館の騒動        民主タイムス
22    九州民友新聞    真の”デモクラ都市”再建      度肝抜かれる化粧品                豊後新聞
23    九州民報           飢えと寒さで毎日行き倒れ   占領軍物資所持者に厳罰・キャンプ区域の通行禁止    別府日報
24    大分民報           別府署が飯場を一斉捜査    芸妓百四十名が組合                 泉都べっぷ
25    別府女専新聞    別府大前身の学生ら編集    桃色寄宿舎30余軒も                  泉都べっぷ
26    九州工業新聞    竹製品は有力輸出品         忘れられた大仏さん                     九州観光タイムス
27    大分産業新聞    早くネオンサイン復活を      別府キタナイわねエ                     夕刊サンデー
28    大分社会教育弘報    戦後生まれの「社会教育」    文化建設へ別府外国語学校        民主新聞
29    よなほり             天理教の会が発行            別府に生まれたる踊る宗教         新別府
30    大分日日新聞    手作りで親しみある紙面    火葬場望む日出町住民                夕刊サンデー
31    西日本実業新聞    深刻な別府の燃料不足  沿道を埋める群衆の歓呼:都市対抗野球優勝の星野組 日刊別府
32    大分時報           6ヵ月で米軍キャンプ建設   浮浪者に悩む市社会課              日刊別府
33    日本公声新聞    標準市場の苦労談も         お湯なしの別府                        大分新聞
34    日豊タイムス      議会リコールの結末は?    「私の野球人生」荒巻淳             日豊タイムス
35    日刊別府           別府市民は新聞好き!?   「私の野球人生」荒巻淳(続)      日豊タイムス

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1983.12.3-1984.2.4の『占領史研究会ニュース』における2回にわたる公開シンポジウムとして「逆コース」という概念が討議されていることに目がとまりました。この言葉については種々の解釈があると言われておりますが、おおむね開始時期は1948年頃と言われております。それは単に世相の側面:軍艦マーチの復活、チャンバラブームの再来、反動化、右傾化、右旋回、追放解除、右翼の台頭、中央集権化、復古調、新ファシズム等に対する言葉だけではなく、朝鮮戦争勃発へ至る極東情勢の変化による対日政策の変更に、より多く拘わって来る言葉のようです。現在我々を取り巻く政治状況もある意味で、「逆コース」に類似する部分があるように思えるのですが、それは余りに感覚的すぎる捉え方でしょうか?是非とも誰かに比較検討してもらいたいと願っております。その時の資料の一部でも検索を駆使してプランゲ文庫から証左となる事実が出て来ることを期待致しております。

近年になって、近隣諸国から問われている「歴史認識問題」を始め、敗戦後70年になろうとしている現在でも、色々な部分で1945年からの再出発が問われております。戦前から変わらずに残ってしまった制度やしきたりがそのままの形で続いている問題もあります。これらの問題を考える時、やはり出発点は敗戦の時からだと思います。5年間ではありますが、非常に大事な5年間だと思います。此処にありますプランゲ文庫という占領期の「ビッグ・データ」を駆使して色々な事実を探し出される事を願って止みません。

都道府県別コンソーシアム提案

『二〇世紀メディア情報データベース』の料金体系は今まで、大学機関1校あたり年間\200,000円、公共図書館1館あたり年間\100,000円という固定料金制でお願い致しておりました。しかしこれでは使える所と使えない所の差が大きく、より公平により多くの方が使える方式をと思い工夫致しましたのが『都道府県別コンソーシアム方式』であります。これは、47都道府県の人口数、大学数、大学教員数と図書館数を合計して割り出した数字によって順位を決めて最大負担費用を割り出したものです。最大は東京都の10件で10件のご注文まではコンソーシアムが発動されませんが、11件以上のご注文になりますと値引きが起こり始め、20件以上になりますと各機関のご負担額は年間数万円になります。但し、ご注文の数が多くなりました場合でも、保守費用がございますので最低ご負担額は1機関年間\30,000円でお願いします。又、最小件数1件のところは27県にわたり、これらの県で2件以上のご注文が在る場合はコンソーシアムが発動致します。コンソーシアムとは販売総額限定による負担分担方式という意味です。言い換えれば「赤信号皆で渡れば怖くない」方式であります。

又、計算方式に関しまして、大学機関(企業も含む)は係数を「1」とし、図書館、美術館、博物館及び文学館等々は係数を「0.5」とします。もし1件の県で大学1校と公共図書館1館からご注文の在った場合は、コンソーシアム成立の翌年4月1日より\200,000/1.5=\133,333となり、大学は年間\133,333円、公共図書館はその0.5の年間¥66,666円のご負担と成ります。もし、この県で大学のご注文が無く、県立及び市立図書館10館がご購入の場合は、\200,000/10×0.5=\40,000×0.5で\20,000円になりますが、保守費用もかかりますので最低の1機関年間\30,000円となります。 尚、コンソーシアム成立の時期によっては、年間のお支払いでなく、月割りでのお支払いになります。

尚、コンソーシアム成立によって価格が減少致しますのは、翌年の4月1日からです。成立から翌年の3月31日までの期間は定価の月数をかけた金額になります。お誘いあわせ頂き、より多くの機関がご参加頂けますれば、価格は最低の年間\30,000まで下がります。

尚、接続方式はIPアドレス経由で、同時アクセス数は無制限です。 ご契約機関内からのアクセス数に制限はありません。更に、(大学)機関内で許可を受けたUsersが外部からその機関を通してアクセル出来るVPNも可能です。 詳しくは担当の小久保(kokubo@bunsei.co.jp)までご照会お願い致します。

 

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