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占領期のビッグ・データ 「プランゲ文庫」 過去と現在 ③: マイクロ版とデータベース活用期

2014年03月13日 · コメント(0) · 未分類

メリーランド大学所蔵「プランゲ文庫」の過去と現在についての第3回目です.

占領期のビッグ・データ 「プランゲ文庫」

 

①: 黎明期
②: まず検閲関連研究から
③: マイクロ版とデータベース活用期
④: NPO法人発足ー「府県別コンソーシアム提案」

 

③: マイクロ版とデータベース活用期

国会図書館の援助で1992年より職員がプランゲ文庫へ派遣されます。雑誌の部分は山田邦夫氏、雑誌から新聞になって藤巻正人氏がご担当されていたと記憶致しております。弊社では、1998年英国議会資料総索引CD-ROM版の販売に際して、知人よりニューヨークのNorman Ross社を紹介されてこのCD-ROM版の米国での販売を同社に委託致しました。暫くして同社より、プランゲ文庫雑誌コレクションのマイクロフィッシュ版の販売の為の入札があることを知らされ、共同で入札に参加する事を決め、入札に必要な登記簿謄本、決算書及び履歴等々の必要書類を英文で用意致しました。幸いなことに多くの競合に勝って我々連合組が落札し、販売を開始致しました。

『プランゲ文庫雑誌目録』(Norman Ross社 2000年1月)

雑誌のマイクロフィッシュ化 1997年4月完成 2000年3月販売開始

 

しかし、2004年に何の前触れもなく突然Norman Ross社がProQuest社に身売りする事が決定され、急遽渡米して引き続き弊社でプランゲ文庫を取扱い続ける事になりました。しかし、ProQuest社で製作した『プランゲ文庫新聞目録』にミスが見つかり往生致しました。その時は既に坂口英子氏がプランゲ文庫のご担当者として交渉相手に成られておりました。

『プランゲ文庫新聞目録』(ProQuest社 2005年11月)販売開始

新聞のマイクロフィルム化 2003年2月完成 2004年7月販売開始

 

上記完了後暫時児童書のフィルム化が開始されました。しかしマイクロ製品の販売も契約から10年が経ち、一方的な形で契約解除を申し渡されました。この期間に、早稲田大学、国際日本文化研究センター、熊本学園大学、神奈川大学にはフルセットをご購入頂き、加えて多くの大学及び県立/市立図書館にも部分的なご購入を頂きました。ありがとうございます。現在は国立国会図書館にて、フィルムと複写のサービスが行われております。

 

続けてプランゲ文庫では、日本財団より補助金を得て『プランゲ文庫教育書図書目録』1945-1949(野田朱美・坂口英子編 2006年7月 A4版 983p. 非売品限定出版 文生書院発行)を刊行しました。坂口英子氏よりデータ受領後全てを任され、編集、割付、装丁、製本までも順調に進みましたが、何百部を個々に外国へ送り出す送料も予め出すことを要求されて往生致しました。

 

Zasshi Shinbun EducationBook

 

山本武利氏を代表とする占領期雑誌記事情報データベースプロジェクト委員会は、文部科学省科学研究費助成金を得て、プランゲ文庫雑誌所蔵の全タイトル数1万3787誌、推定ページ数は610万頁、推定冊数15万冊のデータベース化を2002年3月に完成させて公開を開始されました。 又、早稲田大学二〇世紀メディア研究所より雑誌『Intelligenceが創刊され、このデータベースを使った各種の報告がなされるようになりました。更に、西日本地域の地域紙を中心にした新聞データベースの製作補助金を得て新聞データが追加されました。

 

このデータベース提供開始以来、新しい事実の発見が数多く発表されました。新聞を賑わすものも多くありました。その内代表的なものを此処に掲げます。

文学作品では: 壺井栄、井伏鱒二、林芙美子、武者小路実篤、佐藤春夫等々の未発表作品等々、

有名人では: 石橋湛山、大山郁夫、長谷川如是閑等々です

政治家では: 中曽根康弘、田中角栄、大平正芳等々は1945-1949年には既に活躍されていた事が判ります。

今後もより多くの発見がなされることと思います。又、人文・社会科学の領域を超えて、自然科学の領域までへも広がる研究が現れてきました。

 

雑誌「Intelligence」
特集・アーカイブ紹介・研究動向・史料(資料)紹介
講義・新着図書紹介等々

[特集一覧]
第1期:Nos.1-10,2002-2008 特価 1組\12,000(税別)
No.1: 特集 戦時期・占領期の一次資料による研究調査の現在
【特集1プランゲ文庫】
【特集2 アメリカ国立公文書館】
No.2: 特集: 通信と暗号の情報戦
No.3: 特集:占領期研究の成果とプランゲ文庫
No.4: 特集: 東アジアのメディアとプロパガンダ
No.5: 【特別企画】中曽根康弘元首相、国家情報戦略を語る
特集:中国・台湾のメディアと広告
No.6: 特集:現行憲法への新しい視点と分析
No.7: 特別企画・鶴見俊輔と占領期雑誌ジャーナリズム
No.8: 特集 I 占領期の検閲と文学
特集 II 満州における文化メディアと統治
No.9: 特集:対ソ・対ロインテリジェンス活動
No.10:特集:戦争と文化財・資料 - その略奪と行方

 

第2期:Nos.11-13,2011-2013 各冊\2,000(税別)
No.11: 特集:日米情報戦の深層
特集:占領期の言説
No.12:特集:プランゲ文庫研究の10 年
特集:危機のインテリジェンス
No.13:特集:日米広報外交とアジアの情報戦
特集:占領期メディア再考

 

No.14号は2014年4月中旬に刊行されます。

 

『Intelligence』について

こ のたび20世紀メディア研究所は早稲田大学の重点領域研究プロジェクト研究所として認証され、大学から活動資金の援助をえることになりました。当研究所は 2001年に呱々の声をあげ、以来細々と活動してまいりました。主としてプランゲ文庫の雑誌データベースの作成や、その推進のための研究会や研究誌 『Intelligence』発行を行ってきました。昨年秋に科学研究費と同じ競争的資金でありながら、それよりも使用に比較的に自由な裁量が許される重 点領域研究援助金が学内で新設されましたので、それに応募しましたところ、幸い採用されました。これを機会に当研究所は従来の名称に早稲田大学の冠をつけ た早稲田大学20世紀メディア研究所と改称しました。

『Intelligence』は当研究所の活動を活性化させるメディアです。 2002年3月に創刊し、2008年8月に第10号を刊行しました。「20世紀からメディア、プロパガンダ、インテリジェンスの現在を解剖する」を標榜 し、従来にない研究領域を開拓してきたと自負しています。その後各方面から続刊の問い合わせが来ています。また10号刊行で図書館などからの一括購入申し 込みが増えています。そこで本誌は文生書院に在庫の販売を委託することになりました。

なお本誌は4月から新編集体制を組み、新企画の下で、発売元を従来の紀伊國屋書店から文生書院に変更し、第2期刊行を行うことになりました。新研究体制下の研究会の成果や証言などを順次掲載する場として活用したいと思っています。
皆様のご理解、ご協力をいただければ幸いです。

 

2011年2月10日
早稲田大学20世紀メディア研究所
山本武利

 

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「20世紀メディア情報データベース」のFront Page画面

同データベースのご案内

同詳細結果と項目解説

メリーランド大学プランゲ文庫ホームページ

 

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