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布哇(ハワイ)貴重資料解説(15) 『布哇』

2012年10月09日 · コメント(0) · 古書, 復刻版

英文書名:The Hawaii

[瀬谷正二/著]

表紙のデザインがなかなか愛らしい。著者の瀬谷正二は、約6年間ハワイの日本移住民監督官に任じていた人。巻頭に「題評」という田代安定筆の長文(29頁分)があり、次に著者緒言と続く。

当時日本人居住者は群島内に2万人といわれ、最大の人種であったことは周知の事実である。このことを背景におき、著者は「布哇帝国」の将来、帰属関係如何の問題に思いを馳せる。

豆粒大の群島の、その戦略的立地条件の重要性を脳裏に置きつつ、海岸・港湾・海流・植物・動物・人種・言語・教育・宗教・政治等々を29項に分かって、比較的克明に記述している。頁の欄外に、必要に応じて「小見出し」を使用するなど、編集上の工夫も講じている。年表(国史抄)などの部分に翻訳調が残る。今日的見地からみると、随所に差別用語や問題表現もあるが、今や本書も歴史的な記録であるから、その点は諒とせられたい。

附録には、「人口減損の原因」と「支那人 排斥の始末」との二題があって、こと柄の重大性を説いている。折り込み布哇国全図もあり。

hawai15

【文生書院:復刻版『初期在北米日本人の記録』に収録されています】

ISBN978-4-89253-339-6

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