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布哇(ハワイ)貴重資料解説(2) 『布哇邦人活躍史』

2012年03月07日 · コメント(0) · 古書, 復刻版

英文書名:Japanese activities in Hawaii during the 41/42th year of the Meiji period

附録増給運動費寄付者氏名表 〔根來源之/著〕

明治期のハワイ日本人労働運動史の金字塔といえば本書をおいて他に無い。賃上げストライキ事件の歴史的重要性と著者根来(米国法学博士)の体系的な論述とが本書の価値を著しく高めている。

事件は本国帝国政府を揺るがしたものでもあり、明治18年の一回船移民の月給15ドルが明治39年に至るまで、20年間の間労働賃金は実に僅かに1ドル増加を見たるのみであったのだ。その過酷な状況下で、移民会社等々の悪弊を打破するために、明治39年の改革および増給、さらに明治44年の増給獲得は、実に在留日本人奮闘の結果であった。増給運動は上々で、前回に月2ドル後回で月4ドル50セントの増給を実現した。

その裏には「革新同志会」が結成されたり、地元の邦字紙や英文紙などを巻き込んでの熱論が交わされ、白人社会からの理解と支持があったのである。その経緯を書き遺したのが本書の内容に他ならない。

グラビアと主要人物写真は極めて貴重である。附録に、「増給運動費寄付者氏名表」というのが載っている。これもまた、意外と史料価値が高い。いわゆる通常の奥付けはなく、 広告多数を載せる。なお、根来源之には既に、『言論の自由』、『布哇法規類集』、『布哇邦人労働者増給論』、『米国憲法』の著作があった。

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著者の根來源之(1875-1935)は1903年UCBを卒業、米国法学博士で弁護士。布哇日本人労働団体聯盟会顧問で布哇日本人会会長である。 目次より:増給運動の前提、組織的運動の展開、ストライキの勃発、罷工破壊運動及其防戦、罷工終了と在留代表者会、増給運動の結果、米国の法律とストライキ、増給運動より生じたる人権問題。附録として増給運動費寄付者氏名表を収録。

508p.+附録102p.+広告50p.+序6p.+写真22p.

【文生書院:復刻版『初期在北米日本人の記録』に収録されています】

ISBN 4-89253-226-6

http://www.bunsei.co.jp/ja/2009-10-22-09-06-12/426-hokupeimitumori.html

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