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小口絵の世界へ

2012年01月09日 · コメント(0) · その他, 古書, 洋古書

小口絵の世界へ

An Exhibition of 108 Fore-Edge Painting Books

日時: 2012年1月27-29日(金曜から日曜日)迄

              10:00 -  17:00 (但し29日は16時まで)

場所: 東京古書会館 2階 情報コーナー

東京都千代田区神田小川町 (明大の斜め前) www.kosho.or.jp

小口絵本 108冊以上を展示いたします。

入場無料 - 但し狭いです。

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(2012年1月26日夜:ようやく会場の準備ができました。)

 

Fore-Edge Painting(小口絵)本とは、17世紀後半より英国で起こった装幀技術の一種で、普通の状態では金箔の貼ってある普通の本の小口としてしか見えないものが、一度その小口を斜めに押す(fanという言葉を使うそうです)と忽然と綺麗な絵が出てくると言うものです。不思議な事にこの種の本は、ヨーロッパ大陸には小口絵装飾としてしか無く、英国で突然変異的に生まれたようです。それも最近になるまでこの種の本を知る人は極々稀で、ブリタニカ百科辞典にもその記載が長期間無かったそうです。

現在200数十種類を所蔵しているBoston Public Library が一番のようですが、我が国では一部のコレクターと図書館が少数所蔵しているだけだと思います。弊社は10数年前より四方八方、機会がある毎に探しまわりましたが発見できませんでした。数年前ある偶然からコレクターのものに巡り逢い、それ以降徐々にその数を増やして参りました。ここへきて漸く100冊を越えるものになりました。特に、弊社の小口絵本は高価なものだけを集めたものと云うよりは、小口絵の種類の多さ - 三方絵・垂直絵・両面絵等々 - を誇れるものと思います。是非色々な形の口絵本をご鑑賞頂けますれば幸です。

小口絵本展示と共に3日間とも、講演会と鼎談会を準備いたしました。最初の講演者は英文学の第一人者である高宮先生に“前小口絵”に付いてのご説明を頂きます。それに続き、之の技術を印刷方法で可能にすべく数年をかけて試行錯誤の結果、少部数ではありますが小口絵印刷と言えるものが「日露戦争Photoクロニクル」の豪華特装本として実現できました。翌日は、電子書籍類の台頭に際して、本とはなんであるかに付いて、装丁や活字、更に最新の技術に詳しい3人の専門家による鼎談をお願いしました。最後は、昨年10月に『本屋は死なない』を上梓されました石橋氏に現状についてお話し頂こうと思います。

              

講演及び鼎談会の開催ご案内

27日(金曜)14時より 慶応大学名誉教授英文学者 高宮利行氏の講演

                  「タイトルから小口絵へ ― 書物の前小口の機能について」

                      小口絵本から「日露戦争Photoクロニクル」として小口絵印刷が出来るまで。 小沼良成

28日(土曜): 14時より 鼎談会 「本が本であるために」(仮題)

                  津田淳子氏 (編集者・『デザインのひきだし』編集長)

                  奥定泰之氏 (グラフィックデザイナー)

                  長村 玄氏 (元大日本スクリーン東京研究所長・文書管理コンサルタント・フォント研究)

                  特別ゲスト:モブ・ノ リ オ氏 (小説家)

29日(日曜): 14時より 「古書店も新刊書店も『本屋』である」

                  石橋毅史氏 「本屋は死なない」(2011年10月30日新潮社刊)の著者・元「新文化」編集長

会場が非常に狭いために満員の節はご容赦願います。

 Exhibition

ご講演者紹介:

1月27日(金曜日)

高宮利行(たかみや としゆき)
1944年 東京都生まれ。1985年慶應義塾大学文学部教授。中世イギリス文学専攻。著書に『グーテンベルクの謎 活字メディアの誕生とその後』(岩波書店)、翻訳書に『トールキンのガウン 稀覯本ディーラーが明かす、稀な本、稀な人々』(早川書房)など著書、翻訳書多数。

1月28日(土曜日)

奥定泰之(おくさだ やすゆき)
グラフィックデザイナー。1970年愛媛県生まれ。おもな仕事は書 籍・雑誌のデザイン。現在『早稲田文学』『alluxe』などの雑誌 のADを手がける。おもな装丁作品はモブ・ノリオ『介護入門』 『JOHNNY TOO BAD 内田裕也』(ともに文藝春秋)、川上未映子 『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(講談社)、實重彦『魅せられて』(河出書房新社)、『ベスト・オブ・ベケット』 (白水社)、『ゲーリー・スナイダー・コレクション』(思潮社)な ど。第40回造本装幀コンクール入賞、第2回竹尾賞優秀 賞。創形美術学校、文化学院、早稲田大学文学部非常勤講師。

津田淳子(つだ じゅんこ)
編集者。1974年神奈川県生まれ。編集プロダクション、出版社・ワークスコーポレーション「DTPWORLD」編集部を経て、2005年より株式会社グラフィック社所属。2003年にムック「BOOK DESIGN」、2006年『デザインのひきだし』を創刊し編集長を務める。印刷、製本、デザイン関連にのめりこみ、『デザインのひきだし』以外にも、『印刷・加工DIYブック』『本づくりの匠たち』『装丁道場』など、本づくりに邁進中。

長村 玄(ながむら げん)
現職は出版社顧問。1941年東京都生まれ。1969年写真植字機研究所(現 写研)、文字開発部門を職掌、1991年大日本スクリーンに転じ東京研究所長、その後海外フォントメーカーを経て1999年コンサルティング会社設立、おもに行政系のXML系文書管理コンサルテーション。その間ISO/SC34委員,JIS標準化委員,JEITA eBook標準化委員等を歴任,電子文書処理・フォント技術等の標準化に関わる。

モブ・ノ リ オ (特別ゲスト)
小説家。1970年、奈良県生まれ。2004年、「介護入門」で 文學界新人賞、芥川賞を受賞。’09年、ロックンローラー内田裕也氏との共著『JOHNNY TOO BAD 内田裕也』(モブ著の小説 「ゲットー・ミュージック」と内田氏の対談集「内田裕也のロックン・ トーク」との二冊組スプリット本)を文藝春秋より刊行。最近の短編小説に、いずれも原発事故後の内面生活や反原発サウンド・デモに焦点を あてた「チャンネル・フリーダム」(’11年8月発行 ビームス「In The City Vol.3」掲載)、「太陽光発言書」(集英社「すばる」’12年新年号掲載)がある。
自著の電子書籍化については、早い時期から、「永遠に、絶対的に認めない。そんなダサいフォーマットで読まれるぐらいなら、私の本など、すべて絶版にして燃やしていただきたい。」という頑なな姿勢を版元に表明している。

1月29日(日曜日)

石橋毅史(いしばし たけふみ)
1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社勤務を経て、1998年に新文化通信社入社。「新文化」記者を務める。2005年からは編集長。2009年12月に退社。現在フリーランス。2011年10月に新潮社より『「本屋」は死なない』を出版、大きな反響を巻き起こす。

 

 

[本郷村だより:文生書院のブログ] Fore-Edge Painting Book 小口絵本について

           http://blog.bunsei.co.jp/2011/05/03/

[本郷村だより:文生書院のブログ] Fore-Edge Painting 小口装飾の周辺について

           http://blog.bunsei.co.jp/2011/06/06/

[本郷村だより:文生書院のブログ] Fore-Edge Printing 小口絵印刷て何だろう?

           http://blog.bunsei.co.jp/2011/11/16

 

[文生書院ホームページ] 日露戦争PHOTOクロニクル [豪華特装版]

           http://www.bunsei.co.jp/ja/2009-10-22-09-03-31/881-photo-chronicle.html

[文生書院ホームページ] Cowdray子爵夫人小口絵本コレクション

           http://www.bunsei.co.jp/ja/selected-books/ecollection/878-cowdray.html

[文生書院ホームページ] 小口絵研究書 (A reference on Fore-Edge Painting)

          http://www.bunsei.co.jp/ja/hanbaidairi/books/680-fore-edge-painting-.html

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